2003年12月

中村うさぎ「崖っぷちだよ人生は」

ショッピングの女王3冊目。

正直もう飽きた。つまんない。サイバラの「脱税できるかな」を読んだ直後なので、なおさらか。

浅田次郎「日輪の遺産」

終戦前後の日本と現代を舞台に、マッカーサーの父親が残した200兆円の財宝を巡る男達と少女の物語。・・・と書くとよくある冒険小説みたいだけど、ちゃいます。

本の後ろの解説を読んで知ったのだが、浅田次郎は最初ピカレスクものの作家として登場。そのイメージを払拭すべく書き下ろしたのが本書だそうだ。ということで、極めて初期の部類に入る訳だが、近年の文章にまったく見劣りしない。めちゃめちゃ上手。文字を使いながらここまでリアルな映像を喚起させるのはすごいぞ。作家と言うのは大したものだ。

「地下鉄に乗って」もそうだったけど、何か終戦前夜に思い入れがあるのか。テーマの割りに緊張する場面はは少なく、最後まで優しいキモチで読めます。

秋月りす「どーでもいいけど」

「かしましハウス」と同時刊行。竹書房。朝日新聞に10年間連載したものがやっと単行本にまとまった。「時事ネタ」ということだが、内容はほぼ「じゅんちゃんの出てこないOL進化論」。田中君の顔の人が課長に出世していた。

93年より1年分づつが一章扱いになっているのだが、最初から最後までネタは不況。日本も、もうずいぶん長いこと不況と言いつづけている訳だが、いっそ昔の栄光は忘れて「これで普通」と思えばいいのではないか。

バシリスク=甲賀忍法帖= 1,2巻

山田風太郎の原作の漫画化。某編集部のNGさんご推薦。原作を読んでいないので何とも言いようがないが、忍者というより凄まじいフリークスが大量登場。
伊賀vs甲賀の10対10の戦い。2巻で途中だが、基本的に体の構造が人間からかけ離れているタイプ(蜘蛛だの蛇だのなめくじだの)から死んでいく。

女忍者も数名出てくるが、全員尋常でなく巨乳。青年誌連載の宿命かも知れないがMEGUMIか小池栄子級。

「あずみ」の1巻を引き伸ばしたようなストーリーだが、さてこれからどうなるんでしょうか。それはそうと、NGさんは本当に年内に入稿するのでしょうか。どちらも今後が楽しみです。

箱根吟遊(3)

we1dbi4a.JPG20の部屋全てに専用の露天風呂付き。やや、とろみさえ感じさせるお湯は温度も最適で大変気持ちが良かった。

このテラスの並びにも屋外用のソファやテーブルがあるのだが、勢いよく入浴するとお湯がそちらまで流れていって少しあせる。夜になると山の上に大きく月が出て、とてもきれい。

帰りがけに女将に予約状況を聞いたところ、2004年度の土日はすべて予約済み。平日も6月までは満室とのこと。

箱根吟遊(2)

1s6ssj93.JPG総部屋数は20。今回は2回の和室タイプ「慶運」に案内される。手前に10畳の和室。窓側に8畳程度の板張り。テーブルの下が1段下がっていて床暖房になっている。食事はここで。懐石料理は6時から8時半までたっぷり2時間半。アイデアと趣向を凝らしたものだったが、味に関しては思いのほか「普通」。美味しいけれどスペシャルなものではなかった。味付けは物によってやや濃い目。

写真は板の間から外と露天風呂を臨む。

箱根吟遊 武蔵野館(1)

jsvl7dqt.JPG箱根の温泉につかって来た。

箱根吟遊。「るるぶ箱根」のトップページを飾るこの宿も不況下での生き残りをかけて2年前に建て直し。思惑は大当たりして予約が大変困難な宿のひとつ。フジテレビの温泉ランキング番組でも堂々の1位だったようだ。

6月に電話して「とりあえず一番早く泊まれる週末」で申し込んだら12月のこの日になった。

登山鉄道の3駅目、宮ノ下から徒歩3分。峡谷の斜面に立つ5層の建築。写真は最上階のフロント反対側のテラスから山を望む。

映画館のある家 Vol.2

x2y9flf3.JPGこれを出している出版社の本や雑誌はほとんど無料で手に入ります。あとリットーミュージックとかも同じ部なので入手が用意。ありがたい。

で、なぜか(って編集が入稿しないからに決まってるんだけど)発売が延び延びになった「映画館のある家2」。今回も有象無象のオカネモチな方々が多数登場されます。こういう本のせいで「ホームシアターやってます」なんて言うとあらぬ誤解を受けたりするのだった。

写真はホームシアターとは何の関係もなく、その中の1軒のお宅の裏庭の写真。奥に見える穴のあいたドアのある建物が「犬小屋」だそうだ。

ははは。

大河ドラマ「新撰組!ストーリー 前編」

今週はちょっと厚めの文庫本を読んでいるので、読み終わるまで書くことなし。

で、昨日見本を出したばかりの来年の大河ドラマのガイドブックの話。三谷幸喜が2004年の脚本を書くということを初めて聞いたのが2000年のこと。ようやくここまで来たかーと感慨深いものがある。別に私が何かした訳ではないですが。

大河ドラマ初のコメディが、NHKを見ている普通の人々にどう受け止められるのか。期待と不安と半々。

このガイドブックに前半のストーリーが載っているのだが、けっこう笑えるかもしれない。
開始早々、土方歳三にだまされた若い女に近藤勇が、(土方の代りに)殴られるシーンを一部書き写す。

「女は立ち上がりぐっと腰を沈めて手を上げると物凄い勢いで振り下ろして来た。広げた手の平が、途中で拳固に握り締められるのを視界の隅で確かめた」

いわゆる「グーで殴る」という場面ですが、こういうト書きに近いものでもけっこう楽しそうでしょ?

あとは演出家次第ですね。

地上デジタル

ケーブルTVのJ-Comブロードバンドが既にサービスを開始していた。今、BSデジタルセットに加入している場合、地上デジタルを追加していくらになるのかが不明だったので電話で問い合わせ。

なんと料金は今のまんま、変わらないらしい。セットボックスの交換があるので8,000円くらいはかかるようだが、これはまあ仕方ないだろう。

来年4月からが本サービスで、現時点では上がり方向の信号は送れないらしいが、それも関係ないな。

これで、近々ヘイヘイヘイも徹子の部屋もハイビジョンだぜ・・・・ってどっちも見てないけど。

矢沢あい「NANA」1-8巻

どうも今月はリボンコミックスに縁がある。8巻まで300万部の大ヒット作。現在も連載中。

オシャレ、恋、バンドと女の子の好きなものをぎゅうっと詰め込み大人気。偶然同居することになった二人のナナを巡る物語。小学館漫画賞受賞。

このマンガが好きな人がいたら本当に申し訳ないのだが、これから貶します。すみません。想定読者ではない43歳のおじさんが読むことが間違っているのです。

4巻まではそれなりに先を気にしながら読んだ。が、先にメジャーデビューしたライバルのバンドのメンバーがぐっちょうぐっちょんになかよしこよしになっていく5巻以降からは「けっ」の連続。
ボーカルでレンに一途な(多少病的ではあるが)ナナはまだ許せるとしても、そのうち登場人物全員とセックスするのではと思ってしまうハチは正直見苦しい。それなのにこいつが純情無垢で周りの心を和ませるベビーフェイス役に描かれているところに、作者の幼稚さがうかがえる。いや違うな。作者はおそらく売るためにしたたかなんだろう。こうでなければ売れないのは確かだ。

読者は当然こちらのハチに感情移入しやすいだろうから、向こう数年間でこの系統の(単純さと無邪気な笑顔でなんでも許されると誤解するバカ女)が巷に増殖するのであろう。

なんと8巻では誰の子か確定できないような状態で妊娠してしまった。この手のマンガで堕胎はありえないだろうから、この先子育てマンガになるのか?

とりあえず、次の9巻が出ているようなので読んで見よう。(いやなら読むなよ)

西原理恵子「できるかな V3」

パワー落ちてないです。こういうのじゃないリリックなサイバラを好きな人もたくさんいて、こういうことをしなくてもそれなりの水準で売れるマンガを描けるのだろうけど、でも、こういうのの中ではやっぱりサイコーだと思います。朝なので漢字が少ないな。

「だれが払うかそんな金」できるかな脱税編+キャバレーホステス体験編の2本とおまけ。脱税マニュアルとしても読めますが実際に真似したら(たぶん)自滅します。ホステス編の方はハートウォームな一面もあり、なによりこの女が3人の子供を彼女なりに育てていることに驚かされます。「かちゃん わらって」というセリフに少しほろりとしちまったぜ。まったく。

ところで、鴨とは離婚成立してるんかな。誰か教えてー。
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