70年代初頭に少年マガジンに短期連載されたマンガの新撰組。あの時代であれば、当然マガジンもサンデーもチャンピオンも(以下略)むさぼるように読んでいたはずだが、もちろん記憶はない。同じギャグ系でも、永井豪や赤塚不二夫ジョージ秋山などと比べると格下のページ穴埋め程度のマンガ家と認識していたのだろう。

その後「風雲児たち」のシリーズをライフワークとして何十巻も書きつづけていることなどを、今回調べて知った。

さて、新撰組。「ややこしい時代をますますややこしくした男たちの物語」という秀逸なモノローグで始まる本編は、三谷幸喜をして史上最もコンパクトで的確でスピーディな新撰組と言わしめた佳作。30年前のギャグは稚拙だが、全体に漂うほんわかした空気感は悪くない。あの陰惨で無意味な物語がなぜにほんわか書けるかというと、最初から最後まで一人の死者もださないという大胆な構成にあった。芹沢鴨ですら、寝ているところを凶刃により串刺しになるのだが、実は布団の更に下(床下)で寝ていて、難を逃れたというオチ。史実とは違っても少年マンガの試みとしては悪くない。