xyln11cq.JPGキューバ観光のガイドなどで食いつなぐ「オレ」に舞い込んだ仕事は、入国審査で引っかかった謎の女レイコの身元引きうけだった。女優を自称する彼女は「錯乱を整理したくて」キューバに来たという。始まった長い独白……。一人芝居? 「先生」と呼ぶ男との官能と退廃の日々の語りは事実なのか?

イメージは極彩色の粘液。南米にかぶれてから、さらに純度を増した感じ。壊れた「女優」の独白を延々と聞くのはなかなかしんどい。でも、その独白の一部でも、試しに口に出してみると、決して言葉としてはありえない文語であることがわかる。演じられないことを想定した戯曲? 昔、テレビの「RYU'S BAR」が好きで、というか岡部マリが好きで、ついでに喋る村上龍を毎週みていた。あの、反応の鈍い純朴そうなおじさんが、小説になるとめっちゃ饒舌です。